院長の曽束です。
開院から少しずつ手術の件数が増えてくる中で、最近特に増えているご相談があります。 それが、「他院修正(他のクリニックで受けた手術のやり直し・リカバリー)」です。
「二重の幅が広すぎて不自然になってしまった」 「たるみ取りの手術を受けたのに、引きつれが残ってしまった」
鏡を見るたびに辛い思いをされ、わらにもすがる思いで当院のドアを叩いてくださる患者様が少なくありません。本日は、美容医療における「他院修正」について、私の率直な思いと当院の体制をお話しします。
「後医は名医」という戒めと、私の率直な思い
医療の世界には、「後医(こうい)は名医」という言葉があります。以前にその言葉に対してコラムを書きました。
これは、患者様を後から診察する医師(後医)は、前の医師がどのような治療をし、その結果どうなったかという「答え合わせ」がすでにできているため、容易に正しい診断を下したり、前の医師の処置を批判したりできてしまう、という戒めの言葉です。
他院修正のご相談をお受けする時、私はこの「後医は名医」という言葉と同時に、胸の内で常にこう自戒しています。 「もしかしたら、私が過去に執刀した患者様の中にも、仕上がりに悩み、どこか別のクリニックで修正の相談をしている方がいるかもしれない」
医療に「絶対」はありません。どれほどベストを尽くしても、患者様の理想と完全に一致しないことは起こり得ます。だからこそ、私は決して「前の先生の技術が悪い」「自分なら完璧に治せる」と傲慢になることはありません。 目の前で悩まれている患者様の姿を「決して他人事ではない」と深く受け止め、同じ外科医としての謙虚さと責任感を持って、今の状態をどうすれば少しでも良くできるかを一緒に探っていく。それが、修正手術における私の第一のスタンスです。
医師である私も、一人で抱え込まずに「ダブルチェック」します
患者様の修正方針を立てる際、正直に申し上げますと「どの方法が一番綺麗にリカバリーできるだろうか」と、私自身が深く悩むことも当然あります。修正手術は初回の手術よりもはるかに複雑で、正解が一つではないからです。
そんな時、私は自分のプライドで強引に手術を進めるようなことは決してしません。よりその分野に詳しい専門医の先生に素直に意見を仰ぎ、相談するようにしています。 実は先週末も、東京で開催された美容医療のセミナーに参加してきたのですが、その後に見学させていただいた美容クリニックの先生に「こんなケースがあるんですが、先生ならどうアプローチしますか?」と、ちゃっかり相談に乗っていただいたりしました(笑)。
自分の中で「この治療方針がベストだろう」という答えはほぼ出ていたのですが、患者様の大切なお顔をお預かりする以上、「これで絶対に間違いない」という最後の確証が欲しかったのです。結果的に、私の見立てとその先生のアプローチはぴったりと合致しており、「やはり自分の認識で合っていたんだ」と、胸を張って患者様に治療をご提案する大きな自信に繋がりました。
全国の優れた先生方とのネットワークを活かし、常に最適な選択肢を探り、自分の考えを客観的にアップデートし続ける。これも、患者様の安全を守るための大切な責任だと考えています。
「鼻」の修正は、スペシャリストへの橋渡しを
こうしたスタンスから、当院では部位によって明確な対応を分けています。 まず「鼻」の修正についてですが、鼻は非常に特殊な構造をしており、修正にはその道に特化した極めて専門的な技術が求められます。
そのため、当院では私が無理に鼻の修正のメスを握ることはいたしません。 しかし、「よそに行ってください」と突き放すこともしません。まずは形成外科専門医である私がしっかりとカウンセリングを行い、現在の組織の状態を客観的に診断します。その上で、より高度な専門技術が必要だと判断した場合は、私が全幅の信頼を寄せる「鼻のスペシャリスト」である専門の先生と連携し、必要に応じてその都度、当院での診察や治療の日程を個別にすり合わせて調整いたします。
「正しい診断」と「最良の選択肢」を見つけるためのハブ(窓口)として、当院を頼っていただければ幸いです。
当院が全力を注ぐ「目元」と「輪郭」の修正技術
一方で、当院が自ら積極的にメスを握り、全力を注いでお引き受けしているのが「目元(まぶた周り)」と「輪郭(フェイスライン・たるみ)」の修正です。
なぜこの2つの部位なのか。それは、私がこれまで形成外科医として最も長い時間を費やし、最も深く解剖を熟知している領域だからです。 私は長年、顔面神経麻痺の再建や、0.1ミリの血管を繋ぐマイクロサージャリーといった、顔面の複雑な再建手術に携わってきました。
他院修正は、一度メスが入って硬く「癒着(ゆちゃく)」した組織を解きほぐす、初回手術とは次元の違う難しさがあります。 まぶたの開け閉めを行う極めて繊細な筋肉の構造や、顔の表情を作る神経が輪郭のどこをどう走っているのか。その「顔面のミクロの解剖学」を熟知し、コンマ数ミリの組織を愛護的に扱う微小外科の技術があるからこそ、癒着した組織の中から正常な構造を探し出し、安全に再建することができるのです。
一人で抱え込まず、まずはご相談を
他院での手術結果に悩まれている方は、「また失敗したらどうしよう」「私が決断したことだから、自己責任だ」と、深い孤独や後悔を抱え込んでしまっていることが多くあります。
修正手術は魔法ではありません。一度失われた組織を完全に元通りにすることは難しく、限界があるのも事実です。しかし、形成外科専門医としての知識と技術を総動員し、「今より少しでも自然な状態」「患者様が前を向いて笑える状態」へと改善できる可能性は十分にあります。
現在の状態を拝見し、当院で修正が可能か、専門の先生を頼るべきか、あるいは「今はまだ組織が硬いから、半年待ちましょう」という医学的に正しいストップをかけるべきか。 いかなる時も、ご自身のクリニックの利益ではなく、患者様の「これからの長い人生」にとって一番良い選択を、誠実にご提案させていただきます。
私が先輩医師に素直に相談するように、皆様も一人で鏡を見て悩まずに、まずは一度、当院へご相談にいらしてください。









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